第六章 妖刀跋扈編 水の章  第十四話 「禊(みそぎ)」

こんにちは、みずはです。

今週からは、
再び金曜日にもこちらの小説をお届け致します。
この第六章はこれまでの章と比べてかなり長くなってます;
まぁ色々盛り込んだせいなんですけどね(^^;)
お手数ながら最後までお付き合い下さいm(_ _;)m

それではどうぞ〜( ・ω・)っ


〜前回までのあらすじ〜

湖刀美はごく普通の女子高生だった。
だが親友の陽子が封印されていた妖刀・村正に憑依されてしまった為、
神社の祭神・刀破から神剣『神明剣』を授かり光の巫女として戦う事に。

激闘の末に陽子を元に戻したものの、
村正は破片となって町中に飛び散ってしまった。
その破片に取り憑かれた少女と戦い、
破片を集める湖刀美。
その戦いの中、
陽子・水母・瑞羽の三人に加え、
後輩で学園のマスコットである珠美も仲間になった。

湖刀美&珠美と菜月の戦い。
破片に穢された水神の力を得て水を自在に操る菜月に対し、
湖刀美と珠美は苦戦を強いられる。
絶え間無く噴き上がる水柱に追い詰められ、
二人は窮地に陥るのだった…。



『ソードブレイカー 湖刀美』

第六章 妖刀跋扈編 水の章  第十四話 「禊(みそぎ)」

 ゴゴゴゴゴ…
「くっ…!!」
「にゃ、にゃぁぁ…っ!!」
二人がとっさに身を固めた。
その時だった。
「烈風刃(れっぷうじん)!!」
 ビュウッ!! ザシュッ!!
「くっ!?」
「喰らえぇっ!
 五寸釘アタック!!」
 ドスドスドスドスッ!!
「あうっ!?」
 バシャァァァァ…
突然飛んできた風の刃と無数の五寸釘が菜月に直撃した。
そのショックで水の壁が消え、
地響きも止んだ。
「…っ?
 あ、綾音!
 水母ちゃん!」
「…大丈夫ですか!? 湖刀美さん!!」
「湖刀美!」
 タタタタ…
そう言って水母と綾音が湖刀美達に駆け寄ってきた。
「う、うん、何とか…。」
「危機一髪ってトコだな。」
「助かったですぅ…。」

「あなた方は…!!
 瑞羽さんや村井さんと戦っていたのではありませんの!?」
「…黒井先輩は元に戻しました…!!」
「陽子も元に戻したぜ。」
二人に言われて菜月は周りを見た。
すると元に戻って倒れている陽子と瑞羽の姿が目に入った。
「…っ!!
 以前よりも力は増していたはずですのに…!!
 完全に予想外ですわ…!!
 これ程の力を持っていたなんて…っ!!」
「せ、生徒会長…大人しく元に戻って下さい…!!」
そう言いながら湖刀美は立ち上がり、
刀を構えた。
「くっ…これで勝ったなどと思わないで下さいませ…!!
 わたくしはまだ負けておりませんわ!!
 爆水破(ばくすいは)!!」
菜月が両手を前へ突き出した。
 ドバァァァッ!!
すると菜月の手前の地面から大量の水が噴き出し、
巨大な波となって湖刀美達に押し寄せてきた。
「その手は食わないにゃ!!
 たまみ・とらい・ろっく・うぉ〜るぅっ!!」
 ゴバァァァッ!
そう言って珠美が地面に両手をつくと、
湖刀美達を囲むように三角形の岩の壁が現れた。
「何ですの!?」
 バシャァァンッ!
その壁の先端に波がぶつかると、
その波は湖刀美達を避けるように壁の両脇へ流れていった。
 ザァァァァ…!
「これなら波の影響を受けないにゃ!!」
「すごい! たまちゃん!」
「力を分散させたって訳だな。」
「…すごいです…!」
「嘘ですわ…!!
 そんな単純な方法で…!?」

「今度はこっちの番にゃ!
 たまみ・たいだる・さんど・うぇ〜ぶぅっ!!」
 ブワァァッ!
珠美が叫ぶと、
地面から大量の砂が噴き出して菜月へ向かっていった。
「えっ!?
 き、きゃぁぁぁっ!!」
 ドザァァァァッ!!
その砂の波に菜月は一瞬で飲み込まれた。
少しして波の勢いが消えると、
砂の海の中から菜月が蛇のように這い出てきた。
 ズルズル…
「や、やってくれますわね…、
 でもこの程度で…!?」
 グッ…
そう言って菜月が起き上がろうとした。
しかし菜月の体は全く持ち上がらなかった。
 グッ…ググッ…
「な、何ですの…!?
 体が…全く言う事を聞きませんわ…っ!!」
「その砂は体中にまとわりついて動きを封じるにゃ!!
 生徒会長、観念するのにゃ!!」
「…っ!!」
「せんぱい、今ですにゃ!!」
「うん!!
 生徒会長、今破片の支配から解放してあげます!!
 土気を司る神獣、黄龍よ!
 その全てを清める浄土の力を我が刀に与え、
 魔に魅入られしこれなる者をその呪縛より解き放ち給え!!
 浄土呪・黄龍土聖剣(じょうどしゅ・こうりゅうどせいけん)!!」
 ブォンッ!
呪を唱えて湖刀美は刀を振り下ろした。
するとその刀から菜月目掛けて黄色い龍の形をした気が放たれた。
 グオォォォォッ!!
その黄色い龍が雄叫びを上げると、
砂に体の自由を封じられた菜月を飲み込んだ。
 グバァッ!
「いやぁぁぁぁっ!!
 そんな、そんな!!
 後一歩という所でしたのにぃぃぃっ!!
 あぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

龍が消えると、
その跡には元に戻った菜月が倒れていた。
 ズルッ…
すると菜月の体から菜月に取り憑いていた黒い蛇が分離した。
そしてその黒蛇から村正の破片が分離すると、
黒蛇が白蛇をかたどった像になった。
「この蛇の像は?」
刀を納め、変身を解いた湖刀美が言った。
『おそらく菜月さんが言っていた「水神」でしょう。』
 ポゥッ。
その声と共に湖刀美の胸に光の玉が現れ、
分離して刀破の姿になった。
『破片が社に祀られていた水神の像に取り憑いていたのですね…。』
「水神様の像に…!?
 それであんなに強力な術を使ってたんだ…。」
「とんでもねぇ奴だな…。」
「…はい…。」
「罰当たりなやつですぅ…。」
『「水性」という共通点を利用してその像を取り込んでいたようですね…。
 まさか妖が神の力を利用するとは…。』
 スッ。
そう言うと刀破は破片に歩み寄り、それを手に乗せた。
そして呪を唱えると破片が光に包まれ、白い玉になった。
 シュゥゥゥゥ…
『これでもう大丈夫です。』


−続く−

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