第五章 妖刀跋扈編 金の章  第九話 「熔解」

こんにちは、みずはです。

今日は火曜日なので小説をお届け〜

( っ・ω・)っ【小説】


〜前回までのあらすじ〜

湖刀美はごく普通の女子高生だった。
だが親友の陽子が封印されていた妖刀・村正に憑依されてしまった為、
神社の祭神・刀破から神剣『神明剣』を授かり光の巫女として戦う事に。

激闘の末に陽子を元に戻したものの、
村正は破片となって町中に飛び散ってしまった。
その破片に取り憑かれた少女と戦い、
破片を集める湖刀美。
水母・瑞羽を仲間に加え、
四人で村正に立ち向かう事になった。

珠美の助けを得たものの、
綾音の音は予想外の威力を誇っていた。
そこへ割って入った炎の矢。
それを放ったのは瑞羽だった。



『ソードブレイカー 湖刀美』

第五章 妖刀跋扈編 金の章  第九話 「熔解」

「…会議は終わったかい?
 そろそろ続きやりたいんだけどさぁ。」
綾音が待ちくたびれた様子で言った。
「これ以上待たせるなよな…。
 でねぇと不意打ちかましてふっ飛ばしちまうぞ…?」
その言葉に湖刀美と珠美は身構えた。
だが瑞羽は悠然とした態度を崩さなかった。
「ふふっ。
 待たせて悪かったわね、綾音さん。」
「黒井先輩…あんたまでそんな力持ってたんだな…。
 湖刀美といい…たまちゃんといい…、
 全くこの学校はどうなってやがんだよ…。
 まあいいけどな…。
 そういう奴らの方が殺し甲斐があるからよぉ!!」
そう言って綾音がギターを構えた。
『綾音さんの気が膨れ上がっています!
 気をつけて!』
 フッ。
その警告と共に光の玉は消えた。

「先輩よぉ…、
 あれを破ったからっていい気になってんじゃねぇぜ…?
 次はとっておきの奴いくからなぁ!!」
「そう?
 でも残念だけど、
 そのとっておきとやらを聞く事はできないわね。」
「あぁん…?
 笑えねぇ冗談だなぁ…先輩よぉ…。
 黙って俺の音を聞きやがれ!!」
「お断りよ。
 火気を司る神獣、朱雀がまといし聖なる炎よ…。
 我が身に宿りて悪しき者を封ずる結界となれ!
 朱雀浄炎陣(すざくじょうえんじん)!!」
 ブワァッ!!
瑞羽が呪を唱えると、
瑞羽の背中から炎の翼が広がり地面に突き刺さった。
その次の瞬間、
湖刀美達と綾音達を囲むように炎の壁が噴き上がった。
 ゴォォォォッ!!
「なっ…!!」
「にゃにゃっ!?」
「これって…あの時の…!?」
「大丈夫よ。
 これは私達と倒れてるみんなには影響は無いから。」
「えっ…!?」
「すげぇ技出すじゃねぇか…。
 でもこの程度じゃ、
 この邪金精(じゃごんせい)・綾音は倒せねぇぜ…?」
「そうね。
 いくらなんでもこれだけであなたを倒せるなんて思っていないわ。
 でもあなたのお仲間はどうかしら?」
「何だと?」
そう言って綾音が後ろを見ると、
バンドのメンバーはみんな倒れていた。
「なっ!?」
「あなたはよくても他のみんなは普通の人間でしょ?
 こんな高温に耐えられると思ってるの?」
「チッ…使えねぇ奴らだ…!!
 だが俺一人でもテメェらを殺すぐらい訳ねぇんだよ!!」
そう言うと綾音はギターをかき鳴らした。
 ギュラギュラギュラッ!
しかし音はするが音の弾はいっこうに放たれなかった。
「っ!?
 ど、どうなってやがんだ!?」
「わからない?
 音は空気を渡って進んでいくのよ。
 でもこんな高熱じゃ空気が歪んでしまって、
 音はまともな波長を作る事ができないのよ。」
「こざかしい真似を…っ!!」
「お仲間も倒れ、
 得意の音も封じられてはもう打つ手が無いんじゃない?」
「くっ…!!
 だったらこの爪で直接テメェらを切り刻んでやるよ!!」
 ババッ!
すると綾音は翼をはばたかせて飛び上がり、
目にも止まらぬ速さで宙を旋回し始めた。

「ははははは!
 テメェらに俺の動きが見切れるか!?」
その様子を見て瑞羽が湖刀美と珠美に指示を出した。
「ふふっ。
 たまちゃん、湖刀美。
 壁を。」
「は、はい!」
「えっ?
 は、はいですぅ!
 たまみ・ろっく・うぉ〜る!」
 ズオオッ!!
声と共に珠美が両手を地面につけると、
三人を包み込むように岩が噴き上がった。
「無駄だ無駄だ!
 俺の爪に斬れない物はねぇよ!」
そう言うと綾音は壁に向かって突進し、
爪を振り下ろした。
 ガキィィンッ!!
「ぐっ!?」
その瞬間、爪が何かに防がれていた。
岩は切り裂いていたが、
その先の何かが爪を止めていた。
綾音が戸惑っていると岩の壁が粉々に砕け、
三人の姿があらわになった。
その三人の周りには青白い光の結界が張られており、
その結界が爪を防いでいた。
「なっ…!!」
「音は防げないけど…、
 物理的な攻撃なら防げない物は無いよ!!」
「くそっ…!!」
舌打ちすると綾音は再び飛び上がろうとした。
「させないわ!」
 ヒュンッ!!
すかさず瑞羽が綾音の頭上に矢を放ち、
綾音を牽制した。
「くっ…!!」
「今よ!
 たまちゃん!」
「はいですぅ!
 たまみ・ろっく・ばいんどぉ!」
 ゴバァッ!! ガシィッ!!
珠美が地面に手をついて叫ぶと、
地面から岩が盛り上がり綾音の両足を拘束した。

「なっ!?
 は、放しやがれ!!」
「そうはいかないわ!
 湖刀美!」
「はい!先輩!」
瑞羽の声に応えると、
湖刀美は刀を構えて目を閉じた。
 スッ…
(確か綾音には火の術が有効なんだよね…。
 だったら…あれだ!
 穢れを祓う浄化の炎よ…。
 我が刀に宿りて…、
 魔に魅入られしこれなる者を闇の呪縛より解き放て!
 急々如律令!)
心の中で呪を唱えると湖刀美は目を開いた。
「これで目を覚まして、綾音!
 浄炎呪・聖火爆流剣(じょうえんじゅ・せいかばくりゅうけん)!!」
そう叫ぶと湖刀美は刀を前へ突き出した。
 ゴオァァァァァッ!!
するとその切っ先から炎が放たれて綾音を包み込んだ。
「うあぁぁぁぁぁっ!!
 そ、そんな馬鹿な!!
 この俺がこんな奴らに負けるだとぉぉぉっ!?
 ぐ、ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!」


−続く−

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