第五章 妖刀跋扈編 金の章  第五話 「血の隷従」

おはようございます、みずはです。
いよいよ今日モスコビアが実装されますね〜。
それについての特記を今日はUPしますが、
その前に火曜日は小説更新日と言う事で先に小説をお送り致します〜。
( ・ω・)っ

〜前回までのあらすじ〜

湖刀美はごく普通の女子高生だった。
だが親友の陽子が封印されていた妖刀・村正に憑依されてしまった為、
神社の祭神・刀破から神剣『神明剣』を授かり光の巫女として戦う事に。

激闘の末に陽子を元に戻したものの、
村正は破片となって町中に飛び散ってしまった。
その破片に取り憑かれた少女と戦い、
破片を集める湖刀美。
水母・瑞羽を仲間に加え、
四人で村正に立ち向かう事になった。

中央公園の怪現象を調べに来た湖刀美達。
そこには噂通りの巨石群が。
それについての調査を行い、
その裏に土気を操る存在の影を感じるのだった…。


『ソードブレイカー 湖刀美』

第五章 妖刀跋扈編 金の章  第五話 「血の隷従」

翌朝、
湖刀美は教室で陽子達と話していた。
「それじゃあゆうべは何も無かったの?
 湖刀美ちゃん。」
「うん…。
 変身して二時間くらいあの公園の上空で見張ってたんだけど…、
 犯人の影はおろか『土気』のかけらも感じなかったよ…。」
「…そうだったんですか…。」
「もしかしたら結構慎重な奴かもしれないね…。
 今夜も見回りするの?」
陽子が尋ねると湖刀美はうなずいた。
「そうしようと思ってる。
 あの公園で何かが起こってる事は事実なんだし。
 今夜は空じゃなくて地上で見張る事にするよ。
 結構目立ってたかもしれないし。」
「うん、
 その方がいいと思うよ。」

 ガラッ。
そうして話していると、
予鈴が鳴る少し前に綾音が教室に入ってきた。
すると湖刀美達は綾音に声をかけた。
「おはよっ、綾音。」
「おはよう、綾音さん。」
「…お、おはようございます…。」
「ああ、湖刀美。おはよっ。
 それから陽子に…、
 えっと…水母ちゃん…だっけ?
 おはよっ。」
「昨日のライブすごくよかったよ、綾音さん。」
陽子がライブの感想を言うと綾音は笑みを浮かべた。
「そっか?
 サンキュな。
 水母ちゃんも楽しんでくれたよな?」
「…あっ…え、えっと…、
 ご、ごめんなさい…。
 わ、私…ひ、人の集まる所とか…、
 大きな音とか…苦手で…。
 ひ、貧血起こして倒れちゃったんです…。
 ほ、本当にごめんなさいっ!!」
気まずそうに言うと水母は頭を下げた。
「ううん、いいさ。
 倒れるまでは楽しんでくれてたんだろ?
 ちょっとずつ慣れていけばいいさ。
 なっ?」
しかし気にする風もなく、
綾音はそう言ってウインクした。
「…あ、ありがとうございます…。」
「そうそう、
 今日は特別な趣向を凝らしたステージにするつもりなんだ!
 絶対見に来てくれよな!」
「もちろん!」
「うん!」
「…が、頑張ります…。」
そう言うと湖刀美達は席に戻っていった。
「そう…絶対に来てくれよ…くくく…。」
三人が戻った後、
綾音はそうつぶやき薄笑いを浮かべた。

 キーン…コーン…カーン…コーン…
終業のチャイムが鳴ってしばらくして、
綾音が控え室に入ってきた。
「あっ、綾音。
 今日も頑張ろうね。」
「俺達のビートでまたみんなをしびれさせてやろうぜ!」
華蓮と翔が声を掛けた。
しかし綾音の反応は薄く、
表情もどこかうつろだった。
「ああ…。」
「どうしたんだ?
 まさかまだ昨日のアレで照れてんのかぁ?」
海都がからかうと、
綾音が口を開いた。
「今日は特別なステージにしようと思うんだ…。」
「特別なステージ?」
「どうするの? 綾音?」
「一人ずつ耳貸して…?」
そう言って綾音は海都に歩み寄った。
「あ、綾音…?」
「お、おいおい…。」
「ち、ちょっと近すぎねぇか…?」
「大丈夫…すぐ済む…。」
そう言うと綾音はさらに近づいた。

「「「え…?」」」
三人が怪訝な表情をした瞬間、
突然綾音が海都の首筋に噛み付いた。
 ガブッ!
「ぐあっ!?」
「きゃっ!!」
「なっ!?」
三人が声を上げると、
綾音は海都の血を吸い始めた。
 チュゥ…チュゥ…
「ぐ…な、何すんだ…綾音…!!」
「お、おい!!
 どうしちまったんだよ!!」
「な、何やってるの!?
 綾音!!」
「お前らはこれから俺の奴隷となるんだ…!!」
血を吸いながら答えた綾音の瞳は赤く染まっていた。
「な、何言ってんだよ…!!
 放せよ…っ!!」
「お、おい、華蓮!!
 誰か呼んでこい!!」
「う、うん!!」
華蓮がドアに手をかけた。
しかしドアは全く開かなかった。
 ガタガタガタガタッ!
「う、嘘!!
 何で開かないの!?」
「逃がさねぇよ…。」
そう言って綾音が海都から離れた。
その後ろで海都は気を失い倒れていた。

「きゃぁぁぁぁっ!!」
「あ、綾音!!
 自分が何やってるのかわかってんのか!?
 目を覚ませよ!!」
「うるせぇよ…お前らも黙って俺の奴隷になりやがれ…!!」
 バッ!ドカッ!
「ぐっ!?」
そう言うと綾音は翔に飛び掛かりそのまま押し倒した。
そして首筋に噛み付き血を吸い始めた。
 ガブッ!
「ぐああああっ!!」
「くくく…ははははは…!!」
「ちょ、ちょっと!!
 やめてよ綾音!!
 一体どうしちゃったの!?」
「どうもしねぇよ…いちいちうっせぇな…!!」
翔が気を失うと綾音は立ち上がった。
「さあ…後は華蓮…お前だけだ…!!」
「い、嫌ぁぁぁっ!!」
悲鳴を上げると華蓮は再びドアに駆け寄り、
ドアを叩き始めた。
 ドンドンドンドンッ!!
「何で!?
 何で開かないの!?
 誰か、誰か助けてよぉ!!」
「おびえる必要はねぇよ…。」
そう言って綾音が華蓮の肩をつかんだ。
「ひっ!?」
おびえた声を上げて華蓮が振り向いた瞬間、
綾音が華蓮の首に噛み付いた。
 ガブッ!
「あぁぁぁぁっ!!」
「これでお前も俺の奴隷だ…!!」
「や、やめて、やめてぇ!!
 嫌、嫌ぁぁぁっ!!」
華蓮は激しく抵抗したが、
血を吸われるにつれてその動きは弱々しくなっていき、
しばらくすると完全に気を失った。

 ドサッ…
「くくく…。」
薄笑いを浮かべ、
綾音が手を放すと華蓮は床に倒れた。
「さあ…目覚めろ…俺の奴隷ども…!!」
 パチンッ!
そう言って綾音が指を鳴らすと、
倒れていた三人がゆっくりと立ち上がった。
その三人の瞳はうつろで、
綾音と同様に赤く染まっていた。
「さあ…行くぞ…。
 血の饗宴の始まりだ…!!」
「「「はい…綾音様…。」」」
綾音の言葉に三人は抑揚の無い虚ろな声で答えた。


−続く−

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