第三章 妖刀跋扈編 火の章 第九話 「邪炎精(じゃえんせい)」
それでは小説へっ。
舞台を移し、
戦いはさらに苛烈さを増す…。
『ソードブレイカー 湖刀美』
第三章 妖刀跋扈編 火の章 第九話 「邪炎精(じゃえんせい)」
ヒュォォォ…
しばらく飛ぶと瑞羽の後姿が視界に入った。
「見つけた!」
ゴッ!
そう言うと湖刀美はスピードを上げた。
水母もそれに続いた。
少しして前を飛ぶ瑞羽が首だけ動かして後ろを見た。
そして湖刀美と水母がついてきているのを確認すると、
地上に降りていった。
ヒュンッ。 スタッ。
その後を追って湖刀美と水母も地上に降りた。
ヒュンッ。スタッ。
そこはゆうべ湖刀美が鏃を見つけた公園だった。
まだ火事の跡がそこかしこに生々しく残っており、
人っ子一人いなかった。
「ここなら良いわね。」
チャキッ。
そう言って瑞羽は振り返り、
弓を構えた。
「今度は本気で行くわよ…!!」
「!!」
「…!!」
グッ…。ビュォォォ…。
それを見て湖刀美は刀を構え、
それを援護すべく水母は風を放ち始めた。
「同じ手が通用すると思ってるの…?」
ゴオッ!
瑞羽がそう言うと背中の翼が燃え上がった。
「えっ!?」
「翼が!?」
「炎獄結界(えんごくけっかい)!!」
ブワァッ!ザスザスッ!!
瑞羽が叫ぶと、
燃え上がった翼が大きく広がり地面に突き刺さった。
ゴアアアアッ!!
その次の瞬間、
瑞羽と湖刀美達を囲むように炎の壁が円を描いて地面から噴き上がった。
「な、何…!?」
「す、すごく熱いです…!!」
「ふふっ。」
ブチッ。ヒュンッ!
薄笑いを浮かべると瑞羽は元に戻った翼から羽根を一枚むしり取り、
湖刀美に向かって投げつけた。
パシッ!
とっさに湖刀美はそれを刀で叩き落した。
「何のつもりですか!?」
「気づかない?
風が効力を失っている事に。」
「えっ!?」
「どうして!?」
二人がはっとすると瑞羽がクスッと笑った。
「ふふっ。
あなた達も高校生ならわかるでしょう?
暖められた空気は上へ昇っていく。
あなたが放つ風も周りの超高温の炎で熱せられて、
私に届く前に上へ流れてしまっているのよ。」
「そんな…!!」
「さあ、もう風の守りは期待できないわ!!
大人しくハリネズミになりなさい!!」
バサバサバサバサッ!!
そう言うと瑞羽は再び翼を羽ばたかせ、
無数の羽根を飛ばし始めた。
ドドドドドドドドッ!!!!
「くっ…!!」
湖刀美が身構え、結界を張ろうとした。
「…だったら…これはどうですか!?
雷撃!!」
ガカァッ!!
その時水母が雷撃を放ち、
飛んでくる羽根を全てかき消した。
「ふぅん…そんな事もできるの。
確かにそれなら上へ流される事はないわね。
でもそれじゃあ周りに余波が飛び散ってしまって、
安心して攻め込む事ができないんじゃないの?」
「…でも…何もしないよりマシですっ…!!」
「まぁ確かにね。
でもわかってるの?
今のあなた達の敵は私だけじゃないのよ?」
「えっ…!?」
「…どういう意味ですか…!?」
「周りの炎を忘れたの?
いつまでもこんな灼熱地獄の中にいても大丈夫だと思ってるの?」
「あっ…!!」
「今はまだ大丈夫みたいだけど、
その内酸素も無くなってくるわよ。
私を倒すのと酸欠になるのとどちらが早いかしらね…?
どちらにしろあなた達に勝ち目は無いわ!
大人しく負けを認めなさい!
そうすればせめて苦しまずに死なせてあげるわ!」
「くっ…!!」
「…っ!!」
瑞羽の言葉を聞いて二人は苦い表情を浮かべた。
(…どうしよう…雷撃じゃ危なくて攻められないし…、
風は上へ流されちゃうし…。
上へ…!?
…上へ流れる…上昇気流…そうだ!!)
「まだ終わりじゃありません!!」
ビュオオオオオオッ!!!!
何かを思いついたのか、
水母が突然ものすごい勢いで風を放ち始めた。
「水母ちゃん!?」
「あはははははは!
あなた学習能力無いの!?
いくらやっても私には届かないわよ!!」
瑞羽が高らかに笑うと水母が真剣な眼差しで言った。
「…先輩に当てるのが目的じゃありません…!!」
「え…っ?」
「どういうつもり…?」
「…先輩こそ…高校生ならわかるでしょう…?
上へ流れる風はいわば上昇気流ですよね…。
上昇気流によって…何が出来るか…!!」
水母の言葉に瑞羽ははっとした。
「…っ!?
まさか…あなた…本気なの!?
人の力でそんな物が本当に作れると思ってるの…!?」
「…私だけの…力じゃ…ありません…!!」
ゴオオオオオッ!!!!
すると水母の手から放たれる風がさらに勢いを増した。
「何…っ!?」
「こ、これは…!?」
「…全ての自然に存在し…自由に大空を舞う風達よ…。
お願い…私に力を貸して…!!
やぁぁぁぁっ!!」
ブワァァァァァァッ!!!!
水母が叫ぶと、
水母の手から放たれる風はついに上へ向かって弧を描いて伸びる竜巻と化した。
−続く−
舞台を移し、
戦いはさらに苛烈さを増す…。
『ソードブレイカー 湖刀美』
第三章 妖刀跋扈編 火の章 第九話 「邪炎精(じゃえんせい)」
ヒュォォォ…
しばらく飛ぶと瑞羽の後姿が視界に入った。
「見つけた!」
ゴッ!
そう言うと湖刀美はスピードを上げた。
水母もそれに続いた。
少しして前を飛ぶ瑞羽が首だけ動かして後ろを見た。
そして湖刀美と水母がついてきているのを確認すると、
地上に降りていった。
ヒュンッ。 スタッ。
その後を追って湖刀美と水母も地上に降りた。
ヒュンッ。スタッ。
そこはゆうべ湖刀美が鏃を見つけた公園だった。
まだ火事の跡がそこかしこに生々しく残っており、
人っ子一人いなかった。
「ここなら良いわね。」
チャキッ。
そう言って瑞羽は振り返り、
弓を構えた。
「今度は本気で行くわよ…!!」
「!!」
「…!!」
グッ…。ビュォォォ…。
それを見て湖刀美は刀を構え、
それを援護すべく水母は風を放ち始めた。
「同じ手が通用すると思ってるの…?」
ゴオッ!
瑞羽がそう言うと背中の翼が燃え上がった。
「えっ!?」
「翼が!?」
「炎獄結界(えんごくけっかい)!!」
ブワァッ!ザスザスッ!!
瑞羽が叫ぶと、
燃え上がった翼が大きく広がり地面に突き刺さった。
ゴアアアアッ!!
その次の瞬間、
瑞羽と湖刀美達を囲むように炎の壁が円を描いて地面から噴き上がった。
「な、何…!?」
「す、すごく熱いです…!!」
「ふふっ。」
ブチッ。ヒュンッ!
薄笑いを浮かべると瑞羽は元に戻った翼から羽根を一枚むしり取り、
湖刀美に向かって投げつけた。
パシッ!
とっさに湖刀美はそれを刀で叩き落した。
「何のつもりですか!?」
「気づかない?
風が効力を失っている事に。」
「えっ!?」
「どうして!?」
二人がはっとすると瑞羽がクスッと笑った。
「ふふっ。
あなた達も高校生ならわかるでしょう?
暖められた空気は上へ昇っていく。
あなたが放つ風も周りの超高温の炎で熱せられて、
私に届く前に上へ流れてしまっているのよ。」
「そんな…!!」
「さあ、もう風の守りは期待できないわ!!
大人しくハリネズミになりなさい!!」
バサバサバサバサッ!!
そう言うと瑞羽は再び翼を羽ばたかせ、
無数の羽根を飛ばし始めた。
ドドドドドドドドッ!!!!
「くっ…!!」
湖刀美が身構え、結界を張ろうとした。
「…だったら…これはどうですか!?
雷撃!!」
ガカァッ!!
その時水母が雷撃を放ち、
飛んでくる羽根を全てかき消した。
「ふぅん…そんな事もできるの。
確かにそれなら上へ流される事はないわね。
でもそれじゃあ周りに余波が飛び散ってしまって、
安心して攻め込む事ができないんじゃないの?」
「…でも…何もしないよりマシですっ…!!」
「まぁ確かにね。
でもわかってるの?
今のあなた達の敵は私だけじゃないのよ?」
「えっ…!?」
「…どういう意味ですか…!?」
「周りの炎を忘れたの?
いつまでもこんな灼熱地獄の中にいても大丈夫だと思ってるの?」
「あっ…!!」
「今はまだ大丈夫みたいだけど、
その内酸素も無くなってくるわよ。
私を倒すのと酸欠になるのとどちらが早いかしらね…?
どちらにしろあなた達に勝ち目は無いわ!
大人しく負けを認めなさい!
そうすればせめて苦しまずに死なせてあげるわ!」
「くっ…!!」
「…っ!!」
瑞羽の言葉を聞いて二人は苦い表情を浮かべた。
(…どうしよう…雷撃じゃ危なくて攻められないし…、
風は上へ流されちゃうし…。
上へ…!?
…上へ流れる…上昇気流…そうだ!!)
「まだ終わりじゃありません!!」
ビュオオオオオオッ!!!!
何かを思いついたのか、
水母が突然ものすごい勢いで風を放ち始めた。
「水母ちゃん!?」
「あはははははは!
あなた学習能力無いの!?
いくらやっても私には届かないわよ!!」
瑞羽が高らかに笑うと水母が真剣な眼差しで言った。
「…先輩に当てるのが目的じゃありません…!!」
「え…っ?」
「どういうつもり…?」
「…先輩こそ…高校生ならわかるでしょう…?
上へ流れる風はいわば上昇気流ですよね…。
上昇気流によって…何が出来るか…!!」
水母の言葉に瑞羽ははっとした。
「…っ!?
まさか…あなた…本気なの!?
人の力でそんな物が本当に作れると思ってるの…!?」
「…私だけの…力じゃ…ありません…!!」
ゴオオオオオッ!!!!
すると水母の手から放たれる風がさらに勢いを増した。
「何…っ!?」
「こ、これは…!?」
「…全ての自然に存在し…自由に大空を舞う風達よ…。
お願い…私に力を貸して…!!
やぁぁぁぁっ!!」
ブワァァァァァァッ!!!!
水母が叫ぶと、
水母の手から放たれる風はついに上へ向かって弧を描いて伸びる竜巻と化した。
−続く−
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