第二章 妖刀跋扈編 木の章 第六話 「黒いクラゲ」
それでは続けて小説の方を。
敵の情報を分析し、
次に向けての対策を練った湖刀美。
そこに現れたのは…?
『ソードブレイカー 湖刀美』
第二章 妖刀跋扈編 木の章 第六話 「黒いクラゲ」
ガラガラガラッ。
その時教室の扉を開ける音がした。
反射的に二人が扉の方を見ると、
水母が教室に入ってきて二人の元へ歩み寄ってきた。
「あっ、水母ちゃん。
おはよっ。」
「おはよう、水母さん。」
「ふふっ。
おはようございます。
湖刀美さん、陽子さん。」
嬉しそうな声であいさつをかわすと水母は席に着いた。
「どしたの?
なんか今日はすごく機嫌がよさそうだけど。」
「何か良い事でもあったの?」
二人が尋ねると水母は嬉しそうに答えた。
「はいっ。
昨日のくらげさん、元気になったんです。」
「本当!?」
「よかったね、水母さん。」
「はい。
今ではもうすっかり仲良しなんですよ? ほら。」
そう言うと水母はカバンのふたを開けた。
フワァッ…
するとカバンの中から真っ黒のクラゲが浮かび上がり、
水母の肩に乗った。
「えっ!?
な、何!? それ!?」
「そ、それは!?」
奇妙なクラゲに二人が驚くと、
水母は事も無げに言った。
「何…って…昨日助けたくらげですよ?」
「く、くらげって言われても…。
真っ黒だし…宙に浮いてるし…!!」
「ちょ、ちょっと普通じゃないと思うんだけど…?」
二人が戸惑いながら言うと、
水母は目を輝かせた。
「そうそう!
この子すごいんですよ!!
黒いってだけでも珍しいのに、
水の外でも平気だし、
宙に浮くし、
人の言葉もわかるんですよ!!」
「そ、そうじゃなくて…。」
「まさにこの子こそ出会うべくして出会った私の運命のくらげさんなんですよ!!」
「いや、だから…。」
「もうこの子は一生ものの宝物です!!
絶対に手放しませんよ!!」
湖刀美達が言葉を挟もうとするものの、
水母の勢いは止まる所を知らなかった。
「あ〜…駄目だ…うっとりしちゃってる…。
もう当分戻ってこないよ…。」
「ど、どうしよう…湖刀美ちゃん…?」
「どうしようって言われても…。」
キーン…コーン…カーン…コーン…
湖刀美と陽子が途方に暮れていると予鈴が鳴った。
「あっ、予鈴だ!
こんなの先生に見つかったら大問題だよ!」
「水母ちゃん! 水母ちゃん! 戻ってきてぇぇ!!」
ガクガクガクガク!
慌てて湖刀美はクラゲに頬ずりしている水母の肩をつかんで揺さぶった。
すると水母はようやく我に返った。
「…あれ?
湖刀美さん?」
「…ぜぇ…はぁ…やっと…戻ってくれた…。」
「…どうしたんですか?」
水母がきょとんとしながら尋ねると、
陽子が話しかけた。
「み、水母さん?
予鈴鳴ったんだけど…その子どうするの?」
「いくら…なんでも…そのままは…まずいでしょ…?」
二人に言われて水母ははっとした。
「…あ…そうですね…。
ごめんね、くーちゃん。
学校終わるまでカバンの中で大人しくしててね。」
水母がそう言うと、
黒いクラゲはカバンの中にスーッと入っていった。
「これでOKです。」
そう言って水母はニコッと笑った。
「あー…そ、そうだね…。」
「う、うん…。」
「…?」
二人の歯切れの悪い返事を聞いて水母は小首をかしげた。
その後授業中、
心の中で刀破が湖刀美に話しかけてきた。
〔…湖刀美…。〕
(…何ですか?
刀破様?)
心の中で湖刀美が尋ねると、
刀破が言葉を続けた。
〔先程の黒いくらげからゆうべの妖と同じ妖気を感じました…。〕
(本当ですか!?)
〔それに…、
あのくらげと水母さんの両方から村正の気を感じます…。〕
(え…っ!?
それじゃあ…!!)
〔ええ…。
おそらくあのくらげを媒介にして、
村正の破片が水母さんに憑依しているのでしょう…。〕
その言葉を聞いて湖刀美は愕然とした。
(そんな…!!
なんで水母ちゃんが…!?
あんなに優しくて可愛い娘なのに…!!)
〔確かあの娘はくらげが好きと言っていましたね…。
あの尋常でない入れ込み具合から見て…、
おそらく水母さんはくらげと霊的に波長があっていたのかもしれません…。
そこをたまたまくらげに憑依した村正の破片につけこまれてしまったのでしょう…。〕
すると湖刀美は苦い表情を浮かべた。
(…昨日…水母ちゃんを海に連れて行かなければこんな事には…!!)
〔仕方ありません。
あれは水母さんを思っての行動だったのでしょう?
悔やむ事はありません。
それよりも、
とにかく水母さんから村正の破片を引き離さなければ。
学校では人目につきすぎます。
放課後校外で行いましょう。〕
(わ、わかりました…。)
−続く−
敵の情報を分析し、
次に向けての対策を練った湖刀美。
そこに現れたのは…?
『ソードブレイカー 湖刀美』
第二章 妖刀跋扈編 木の章 第六話 「黒いクラゲ」
ガラガラガラッ。
その時教室の扉を開ける音がした。
反射的に二人が扉の方を見ると、
水母が教室に入ってきて二人の元へ歩み寄ってきた。
「あっ、水母ちゃん。
おはよっ。」
「おはよう、水母さん。」
「ふふっ。
おはようございます。
湖刀美さん、陽子さん。」
嬉しそうな声であいさつをかわすと水母は席に着いた。
「どしたの?
なんか今日はすごく機嫌がよさそうだけど。」
「何か良い事でもあったの?」
二人が尋ねると水母は嬉しそうに答えた。
「はいっ。
昨日のくらげさん、元気になったんです。」
「本当!?」
「よかったね、水母さん。」
「はい。
今ではもうすっかり仲良しなんですよ? ほら。」
そう言うと水母はカバンのふたを開けた。
フワァッ…
するとカバンの中から真っ黒のクラゲが浮かび上がり、
水母の肩に乗った。
「えっ!?
な、何!? それ!?」
「そ、それは!?」
奇妙なクラゲに二人が驚くと、
水母は事も無げに言った。
「何…って…昨日助けたくらげですよ?」
「く、くらげって言われても…。
真っ黒だし…宙に浮いてるし…!!」
「ちょ、ちょっと普通じゃないと思うんだけど…?」
二人が戸惑いながら言うと、
水母は目を輝かせた。
「そうそう!
この子すごいんですよ!!
黒いってだけでも珍しいのに、
水の外でも平気だし、
宙に浮くし、
人の言葉もわかるんですよ!!」
「そ、そうじゃなくて…。」
「まさにこの子こそ出会うべくして出会った私の運命のくらげさんなんですよ!!」
「いや、だから…。」
「もうこの子は一生ものの宝物です!!
絶対に手放しませんよ!!」
湖刀美達が言葉を挟もうとするものの、
水母の勢いは止まる所を知らなかった。
「あ〜…駄目だ…うっとりしちゃってる…。
もう当分戻ってこないよ…。」
「ど、どうしよう…湖刀美ちゃん…?」
「どうしようって言われても…。」
キーン…コーン…カーン…コーン…
湖刀美と陽子が途方に暮れていると予鈴が鳴った。
「あっ、予鈴だ!
こんなの先生に見つかったら大問題だよ!」
「水母ちゃん! 水母ちゃん! 戻ってきてぇぇ!!」
ガクガクガクガク!
慌てて湖刀美はクラゲに頬ずりしている水母の肩をつかんで揺さぶった。
すると水母はようやく我に返った。
「…あれ?
湖刀美さん?」
「…ぜぇ…はぁ…やっと…戻ってくれた…。」
「…どうしたんですか?」
水母がきょとんとしながら尋ねると、
陽子が話しかけた。
「み、水母さん?
予鈴鳴ったんだけど…その子どうするの?」
「いくら…なんでも…そのままは…まずいでしょ…?」
二人に言われて水母ははっとした。
「…あ…そうですね…。
ごめんね、くーちゃん。
学校終わるまでカバンの中で大人しくしててね。」
水母がそう言うと、
黒いクラゲはカバンの中にスーッと入っていった。
「これでOKです。」
そう言って水母はニコッと笑った。
「あー…そ、そうだね…。」
「う、うん…。」
「…?」
二人の歯切れの悪い返事を聞いて水母は小首をかしげた。
その後授業中、
心の中で刀破が湖刀美に話しかけてきた。
〔…湖刀美…。〕
(…何ですか?
刀破様?)
心の中で湖刀美が尋ねると、
刀破が言葉を続けた。
〔先程の黒いくらげからゆうべの妖と同じ妖気を感じました…。〕
(本当ですか!?)
〔それに…、
あのくらげと水母さんの両方から村正の気を感じます…。〕
(え…っ!?
それじゃあ…!!)
〔ええ…。
おそらくあのくらげを媒介にして、
村正の破片が水母さんに憑依しているのでしょう…。〕
その言葉を聞いて湖刀美は愕然とした。
(そんな…!!
なんで水母ちゃんが…!?
あんなに優しくて可愛い娘なのに…!!)
〔確かあの娘はくらげが好きと言っていましたね…。
あの尋常でない入れ込み具合から見て…、
おそらく水母さんはくらげと霊的に波長があっていたのかもしれません…。
そこをたまたまくらげに憑依した村正の破片につけこまれてしまったのでしょう…。〕
すると湖刀美は苦い表情を浮かべた。
(…昨日…水母ちゃんを海に連れて行かなければこんな事には…!!)
〔仕方ありません。
あれは水母さんを思っての行動だったのでしょう?
悔やむ事はありません。
それよりも、
とにかく水母さんから村正の破片を引き離さなければ。
学校では人目につきすぎます。
放課後校外で行いましょう。〕
(わ、わかりました…。)
−続く−
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