第一章 妖刀復活編  第七話 「一夜明けて」

こんにちは、みずはです。

前回までの数回はちょっと文章が長かったかもしれないので、
今回少し短くしてみました。
切れ目を調整するのは難しいですね…(^^;)

何せ原文では「第一章 妖刀復活編」で一つの話としているので、
ブログ掲載文みたいに細かく分けてないのです;
全部一気に載せると明らかに長いのでブログでは分けて掲載しているのですが…。
難しいです(´・ω・)

さて、今回はストーリー的には中休みと言った所でしょうか。
初対決を終え、次の邂逅に向けてそれまでの話を一旦まとめたようなもの…かな?
ストーリーのテンポを考えると余計かも;
まあ次回からまた話が進みますのでご容赦を(^^;)

『ソードブレイカー 湖刀美』

第一章 妖刀復活編  第七話 「一夜明けて」

翌朝、
湖刀美は目覚まし時計にセットした時間よりも早い時間に目が覚めた。
(あまり眠れなかったな…。)
そう思いながら湖刀美は身支度を済ませ、一階に下りた。
すると廊下の奥の方から湖刀美の祖父が慌てた様子で走ってきた。
 バタバタバタバタッ!
「た、大変じゃ!!」
「ど、どうしたの?
 おじいちゃん…?」
「む、村正が無くなっとるんじゃ!!」
湖刀美の祖父が言うと、
湖刀美の表情が沈んだものになった。
「うん…、知ってるよ…。」
「何? どういう事じゃ?」
それを見て湖刀美の祖父が怪訝な表情をした。

『私が説明しましょう。』
その時突然声が響いた。
「だ、誰じゃ?」
 ポウッ…
湖刀美の祖父が周りを見回すと、
湖刀美の胸に光の玉が現れた。
するとそれが湖刀美から離れ、
次第に大きくなり神秘的な女性の姿になった。
 スゥゥゥ…
「刀破様…。」
湖刀美の言葉を聞いて湖刀美の祖父が驚きの声を上げた。
「刀破様!?
 刀破様じゃと!?」
『そうです…。
 私は土御門刀破…。
 あなた達の先祖であり…あなた達が祭神として祀っている者です…。』
「な、なぜ刀破様が湖刀美の中に!?」
湖刀美の祖父が戸惑いながら刀破に尋ねた。
『それにはまず村正が無くなった経緯から説明しなければなりません…。』
そう言うと、刀破は湖刀美の方を見た。
『湖刀美…話しても良いですね?』
「はい…、事実は覆しようがないですから…。」

「どういう事じゃ?」
湖刀美の祖父が尋ねると刀破が語り出した。
『昨夜あなた方が寝静まった後…村正が奪われました。
 奪ったのは…湖刀美のお友達の陽子さんです…。』
「陽子ちゃんが!?
 まさか…!!」
『はい…。
 昨夜の封印では充分でなかったのです…。
 村正は由来書を媒介にして陽子さんを魅了し、
 操って村正を奪わせたのです…。』
「なんと…!!」
『私はその時起きていた湖刀美に警告を送り、
 陽子さんの元へ導きました…。
 ですが不意をつかれ、
 陽子さんは村正と融合してしまいました…。』
「何ですと!?
 村正と融合!?」
『そして彼方へと飛び去った陽子さんを追おうとした時、
 湖刀美が私に願ったのです…。
 陽子さんを救う力を自分に下さいと…。』
「何じゃと…!?
 本当か、湖刀美?」
「…うん、おじいちゃん…。
 陽子は私のせいで村正に取り込まれたの…。
 だから…だから自分の手で陽子を救いたくて…!!」
「湖刀美のせい?
 どういう事じゃ?」
『私は陽子さんが村正に取り込まれる前に村正を手放させようとしたのです…。
 ですが途中で湖刀美が私と陽子さんの間に割って入ったのです…。
 その隙をつかれて湖刀美と共に吹き飛ばされ、
 身動きが取れずにいる間に陽子さんは村正と融合してしまったのです…。』
「そうじゃったのか…。」
『ですが湖刀美を責めないでやって下さい…。
 それは全て湖刀美が友達を想う優しい心から引き起こされたものなのです…。』
「わかっております。
 この娘は誰よりも優しい心を持っております。
 そうなったのも仕方の無い事だったのでしょう。」
そう言って湖刀美の祖父は湖刀美の頭を優しく撫でた。
「おじいちゃん…。」

『そして私は湖刀美に力を授けました…。
 湖刀美、神明剣を。』
「え!?
 い、今は持ってないですよ!?
 ゆうべは勝手に消えちゃいましたし…。」
突然言われて湖刀美は戸惑った。
『大丈夫です。
 もう神明剣はあなたと一つになっています。
 心に念じるだけで神明剣はあなたの想いに応えて具現化します。』
「わ、わかりました。」
そう答えると湖刀美は両手を前に出して目を閉じ、念じた。
(神明剣…、お願い、私の想いに応えて…!)
 ブゥゥゥン…
すると湖刀美の手の中に光が集まり、
変化して一振りの刀になった。
目を開けると、
湖刀美は自分の手に現れた剣を見て驚いた。
「わっ、本当に出た…!!」
「これは…!」
その光景に湖刀美の祖父も目を見張った。
『これが私が湖刀美に授けた力…天界の宝剣「神明剣」です。』
「神明剣?」
『はい。
 持つ者の霊力を依り代にして、
 浄化を司る光の力が具現化して生まれる神剣です。』
「なんと神々しい…。」
『湖刀美には生前の私を遥かに越える強い霊力が宿っています。
 その剣を抜く事で湖刀美の力は解き放たれます。』
刀破の言葉に湖刀美の祖父は驚いた。
「湖刀美にそれ程の力が!?
 確かに以前より感じるものはあったが…。」
『その神剣によって湖刀美は浄化を司る天の使い、
 光の巫女となったのです。
 ですが湖刀美はまだ目覚めたばかりで、
 その強大な霊力が暴走する恐れがありました。
 その為、私が湖刀美の中に入って湖刀美の力を制御していたのです。』

「そうでしたか…。
 ところで刀破様、
 村正はどうなったのですか…?」
「逃げられちゃった…。
 陽子と一緒に…。」
湖刀美の祖父が尋ねると、
湖刀美が代わりに答えた。
「湖刀美…。」
『奴も目覚めたばかりで慎重になっていたのでしょう。
 新たに得た力を湖刀美に破られた村正は、
 陽子さんと共に魔界に逃げ込んでしまったのです…。』
「魔界に…!?」
『私の予想が正しければ、
 奴は魔界で力を蓄え今夜再びこちらに現れるでしょう。
 魔性の者はよほど強い力を持つ者…高位の妖魔などでない限り、
 夜間にしか行動できないはずですから。』
「今度こそ…村正を倒し、陽子を元に戻してみせるよ…。」
湖刀美が決意に満ちた表情で言った。
「湖刀美…お前に土御門流剣術を教えたのは無駄ではなかったな…。
 今のお前なら本当の土御門流剣術を使いこなせるはずじゃ。
 頑張るのじゃぞ。
 刀破様…、湖刀美を守ってやって下さい…。」
『ええ…、もちろんです。』


−続く−

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